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〔武田軍:子孫、真田主従編〕


引き合わせる事で満足したのか信玄は無責任にも席を外してしまった。

意気投合する主君の後ろで泉と佐助はどうしたものかと互いに肩を落とす。

「どうした泉?」

それに気付いた湊が声をかけてくるも泉は何でもない、と首を横に振った。

「泉殿と申されたか。やはり泉殿も佐助同様忍なのでござるか?」

「そうですけど、…幸村様。その前に俺の事は泉と呼び捨てて下さい」

ジッと真っ直ぐな目を向けられて泉は何だか落ち着かない。

「それで、君達が未来から来た俺様達の子孫て本当なの?」

ふと視線をさ迷わせた先で無機質な瞳とぶつかった。

「佐助様…」

これはどうしたものかねぇ。完璧疑われてる。まぁ、それが仕事だし。

「佐助殿。俺達は本当に未来から来たのだ。嘘だと思うなら斬り捨ててかまわん」

「ちょっ、旦那!何言ってんだよ!」

そんな事になるぐらいなら俺が旦那を連れて逃げる。

幸村と似た真っ直ぐな瞳が佐助に向けられる。

そして、泉は何があってもすぐ動けるように佐助の一挙一動に気を集中させた。

「止めよ、佐助!この者達は嘘など吐いておらぬ。お館様と某の目が信じられぬのか?」

睨み合っていれば幸村が間に割って入った。




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